こんにちは。
本日は少し、私がこのブランドを立ち上げるきっかけのひとつをお話ししたいと思います。
それは何年も前、フランス、パリへ仕事で訪れた時のこと。
パリの4区、伝統と気品あるお店や、お洒落な雑貨屋さんが立ち並ぶエリアでその出会いはありました。
ふとひとつのブティックのショウウィンドウに置かれた古びた指環から目が離せなくなり、立ち止まりました。
大きなボルドーのセンターストーンの周りをパールで囲った指環でした。
元々ヨーロッパアンティークがとても好きで、フランスの古い本や、雑貨、アンティークレースとも関わる仕事をしておりましたので、アンティークジュエリーに魅了されるのは一瞬の出来事でした。
残念ながらその時は手に取ることはできなかったのですが、その指環が忘れられず、日本に帰ってきてから、いくつかヨーロッパやバイヤーさんからお迎えしました。
けれども100年以上経っているものですからそもそも状態が良い物が少なく、また、状態の良いものを見つけたのも束の間、劣化により、何処かに強くぶつけた訳でなくともほんの少しの日常使いでパールが欠けてしまったり、地金も現代の指輪よりも繊細な作りの為強度が足りず歪み易かったりしまして、気に入っているものも中々気軽には着けられませんでした。
アンティークジュエリーの様なクラシカルな美しさのある指環で、何かあったら修理をして、長くずっと大切に使える御守りのような指環を作りたい。
その想いがずっとありました。
フランスの街角でアンティークジュエリーに魅了されたあの日から、Mayuranoirのジュエリーには19世紀ヨーロッパのエッセンスが深く浸透しています。
特にフランスのアール・ヌーヴォー時代の華やかなデザインは今でも全く色褪せることがありませんね。
興味深いことに、アール・ヌーヴォーの文化は、日本の浮世絵などから強く影響を受けていたそうです。
日本の影響を受けて育ったフランス文化に、100年以上経った日本でまた一人のデザイナーが影響を深く受けてものづくりをする、、
少しロマンチックだなと、密かに思っていたりします。
アンティークジュエリーの洗練された美しさ、華やかさからヒントを貰いながらも、Mayuranoirらしいジュエリーを生み出せる様に、今後も少しずつ前に進んでいければと思っております。
ご覧頂き、ありがとうございました。